ワンポイント
2026.01.31
『腰椎分離症』について
令和8年1月19日に勉強会をしました。
【病態】
腰椎分離症とは、腰椎椎弓の関節突起間部の連続性が絶たれた状態をいいます。骨成熟が完成していない成長期のスポーツ活動が原因であることが多く、腰椎伸展(腰を伸ばす・反らす)や回旋(ひねる)によるストレスが関節突起間部に繰り返し加わって生じる疲労骨折と考えられ、特に第5腰椎に好発します。サッカー・バレーボール・野球など体幹を反らしたりひねったりする動作が多いスポーツ選手で発症しやすく、進行すると「腰椎分離すべり症」という骨がずれる状態になるリスクもあります。
【検査・診断・分類】
単純X線斜位像にて判定が行われ、詳細判定を要する場合にはCT像を用います。
①単純レントゲン
単純X線写真の斜位像で、「スコティッシュテリアの首輪」という特徴的な所見が認められることがある。しかしこの所見がはっきりみられるのは進行期以降で、初期では見えないことのほうが多いです。
②CT
骨折線がどこに生じているのか、どの程度骨折部が離開しているのか、疲労骨折が新しいのか古いのかを評価することが可能です。
・ 初期:部分的骨透亮像やhair line様の亀裂が認められるもの、骨折線は骨吸収像として認める
・ 進行期:明瞭な亀裂を伴うが分離部周囲の骨硬化は認めないもの、骨折線が全周性に及ぶ
・ 終末期:分離部周囲に骨硬化がみられる,いわゆる偽関節像を呈する、レントゲンでも診断は容易

【治療】
保存療法がメインになりますが症状が進行して骨癒合が難しい場合などは手術療法が検討されます。
a)保存療法
分離の超初期~進行期では骨折部の癒合が期待できます。スポーツは中止する必要があり、腰椎の伸展および回旋運動を制限する硬性コルセットを使用します。
成長期のスポーツ選手にとって数か月の運動制限は運動能力の低下や将来に対する不安など受け入れがたいことも多く、メンタルケアも重要です。運動制限やコルセットの必要性など治療について本人や家族などに十分に説明を行い、理解が得られるように関わる必要があります。
一方,終末期の分離症は骨癒合を期待できないため、保存療法では疼痛コントロールを目的とした保存療法が主となります。
b)手術療法
分離部修復術・分離部切除術・椎体間固定術など
何か、気になることがあれば、お気軽にスタッフにご相談ください。
担当: 嶋田 ・ 三木