院内研修会
2024.05.31
5月29日に「変形性膝関節症」のテーマで院内研修会を実施しました。
我が国の罹患者は約2500万人で、80歳以上の女性の有病率は80%にのぼると推定されています。
病態は最近の研究から、骨棘形成や半月板の逸脱、損傷の結果として、軟骨損傷や軟骨下骨の変形が進んでいくことが多いとされています。
治療方法では、まず、保存療法があり、その保存療法には運動療法と薬物療法があります。運動療法は重要で、日本人に多い内側型の膝関節症に対しては、大腿四頭筋の中でも内側広筋の強化が重要とされています。薬物療法の中で、ヒアルロン酸関節注入は、関節内の局所への力学的負荷を回避させる効果と炎症を抑える効果があるとされています。
保存療法の効果がなければ手術療法を考慮します。最近は変形が比較的少ない例に対し、骨切り術の適応となる例が増えているようです。変形が高度になると人工関節の適応となり、これには片側置換と全置換のタイプがあります。いずれも、合併症があり、注意が必要です。