ワンポイント
2025.10.08
頸椎症(変形性頸椎症)とは?
加齢により椎間板の変性が進行し、椎体後面、鈎椎関節にトゲ状の骨ができたり(骨棘形成)、椎間関節の変形、黄色靭帯の肥厚などを生じます。結果、頸部や肩甲部に痛み、頚椎に可動域制限が生じます。
頚椎症の症状として神経症状を伴うものがあります
・頚椎症性脊髄症…脊髄が圧迫され両側の手足にしびれ、巧緻性障害、歩行障害、排泄の機能障害などの症状がみられる。
・頚椎症性神経根症…神経が圧迫され、頸の痛みや肩こり、片側の腕や手に痛みやしびれ、脱力感が出やすい。
神経根症の特別な病態として、
脊髄の前角細胞あるいは神経根が障害され、三角筋や上腕二頭筋の筋委縮、筋力低下が著明に起こるものを頸椎症性筋萎縮症と呼びます。
→病変はC5か6に多く、上腕二頭筋、三角筋、棘上筋、棘下筋の麻痺により肩関節の挙上・外転・外旋ができにくくなります。
痛みが少なく、腱板断裂などの肩の病変と間違えやすく、放置され、肩・肩甲骨周囲の筋委縮を伴って、受診することが多いです。
頚椎症性筋萎縮症の方の背中 正常な方の背中
担当:森・大谷