院内研修会
2025.07.25
7月23日に「変形性膝関節症に対する薬物療法」のテーマで院内研修会を実施しました。
いかなる治療、もその効果を最大限に活かすためには、まず病態をしっかり把握し、その治療が病態に即していることが重要です。
まず変形性膝関節症の病態では、様々な原因で膝に荷重時の力学的集中化がおこり、半月板逸脱や変性が起こることにより緩衝作用が失われる。その結果、軟骨では摩耗により摩耗片が関節内に放出され滑膜炎を惹起し、軟骨下では骨リモデリングがおこる。この滑膜炎により、関節液や炎症性サイトカインが関節内に放出され、これが関節痛や変形の進行に関連する。
現状では変形性膝関節症の疼痛を抑制するのは、滑膜炎に起因する炎症を抑えるか、疼痛伝導系に作用する薬剤を使用するか、である。
この炎症を抑えるのが、非ステロイド性抗炎症剤、とヒアルロン酸であり、疼痛伝導系に作用する中で、上行性疼痛伝導系を抑制するのがカロナールと弱オピオイド、下降性疼痛抑制系を賦活化するのがノイロトロピンとサインバルタである。