ワンポイント
2025.06.06
<< 足根管症候群とは >>
足根管は内くるぶしの下側で屈筋支帯と距骨、踵骨で囲まれたトンネルのことです。
脛骨神経と後脛骨動静脈、長母趾屈筋が走行しています。
足根管で脛骨神経が締め付けられ圧迫されると足底に放散する疼痛、しびれ、知覚低下を生じます。
原因:ガングリオン(最も多い)、距踵骨癒合症、外傷に関連するもの など
<< 足関節拘縮と背屈制限 >>
足関節の動きの制限は骨折や靭帯損傷後に起こりやすく、特に背屈制限が問題となります。
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階段昇降、しゃがみ込み、ランニングには21.1°~38.5°以上の背屈が必要です。
これらの制限は日常生活の満足度を低下させます。
立った状態で足関節を背屈するには距腿関節が91.8%関与しています。
距腿関節の後方にある軟部組織の伸張や滑走が低下すると背屈制限を引き起こすので運動療法が必要になります。
<< 背屈制限の原因 >>
臨床的には長母趾屈筋の伸張低下や収縮不全を生じることが多いです。
痛みやスパズム(筋痙攣)を伴って運動療法に抵抗することが多いです。
**長母趾屈筋
→下腿後面から足趾に至る長い組織
→脂肪組織を介して後方関節包や神経、血管と隣接
→伸張低下や癒着などの滑走障害が生じると距骨の後方移動を制限
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足関節背屈を制限
**長母趾屈筋に並走する脛骨神経に沿って痛みを訴える症例が多いです。
外傷や術後に足関節を背屈し外側に捻ると背屈制限と支配領域のしびれや疼痛が誘発されます。
脛骨神経の滑走障害を伴う症状として捉えると運動療法で背屈制限に対応できる場合があります!
6:内側足底神経
7:外側足底神経
8:踵骨枝
*6.7 は脛骨神経が足根管近くで分岐している
足関節拘縮(背屈制限)に関して … 末梢神経の緊張緩和(温めるストレッチなど)で関節可動域が急激に増加することも多いです。
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早期から理学療法で長母趾屈筋や脛骨神経を対象とした
伸張や収縮を行うことが、拘縮予防に有効的です!
エコーで長母趾屈筋の状態を確認することもできます!
足関節の動きが気になる方は診察時にお声かけ下さい。
能勢・河野