ワンポイント
2024.03.12
令和6年2月28日に院内勉強会を行いました。
今月のテーマは関節リウマチ(RA)のリハビリについてです。
先月の勉強会のテーマでも取り上げられた関節リウマチについて復習も兼ねておさらいします。
関節リウマチの症状
滑膜炎:多発性の関節腫脹と疼痛を主症状とする。
関節のこわばり:起床時に多く、身体を動かし始めると多くは消失する。
関節破壊:滑膜増殖、炎症が持続すると周辺の軟骨・骨の侵食・関節破壊・変形をきたす。
その他、疼痛やこわばりなどに廃用性筋萎縮や炎症によるタンパク質の異化・分解によるサルコペニア症状などを引き起こす。
今回の院内勉強会で取り上げた関節リウマチの運動療法の研究では従来高強度(抵抗が強い)の負荷をかけて行なっていた運動を従来より低強度(抵抗が弱い)の負荷で行なっても効果があるか検証している研究でした。
下肢の運動しかしていないにも関わらず、関節リウマチ特有の炎症反応の低下や上肢の圧痛関節数の減少、握力の増加など直接運動していない上肢にも改善が見られたという結果でした。
下肢の筋力増強が全身に影響を与えている可能性があることや、低強度の運動によりマイオカインという抗炎症作用をもつ物質が筋繊維から分泌されることがわかってきています。
このマイオカインという抗炎症作用のある物質が関節リウマチの関節炎を抑制したと考えられます。関節リウマチに限らず、マイオカインは筋繊維から放出されるため、運動することにより自分の筋肉で産生することが出来ます。痛み止めの作用を自分で作ることが出来るのです。
日頃の運動を行うことにより、関節リウマチのみならず、変形性関節症や認知症の予防になるなど、今後更なる研究成果の報告が期待されます。
担当 古賀田 宮脇